逆転小説家
息の道を塞ぎ
―――締まる首
底なしの水に飲み込まれ
苦悶の顔―――
身を雷電に焼き尽くし
―――焼け焦げた身
そして、
紅い花を咲かそう
君に捧げる………真っ赤な花を………
―――手首から零れる、鮮血の紅
………これで、これで私は、
救われた
◇
2月16日 午前9時17分
裁判所第三法廷
サ「検察側、弁護側、準備は出来ていますか?」
何時もと同じ始まり、
ナ「弁護側、出来ています」
何時もと同じメンツ、だが、
ミ「検事側、完了している」
何時もと違うところが確実にあった。
マ「な、ナルホド君、大丈夫だよ、始まったら何時もの手で」
ナ「そんな事言ったって、初めてじゃないのか?何もわからないって状況は………」
マ「一度そういう事あったじゃない!ほら、キオクソーシツの時だよ!」
ナ「それは忘れていたってだけで、知らなかった事とは微妙に違うよ」
サ「それでは検事、冒頭弁論をお願いします」
ミ「了解した」
御剣が調書を広げた。僕らの武器であるはずの証拠品は、
ミ「この事件は小説家刹那義理雄氏が、人里はなれた自宅で自殺していた」
これ以外に何も無い。いや、だいたい何時死んだとか詳しい内容もわかってないのだ。
それでも僕は、依頼者の依頼を全うしなければならない。
そう、刹那義理雄氏が、自殺じゃないという事を。
ミ「証人を召喚させてもらう、イトノコ刑事!」
◇
よれよれのコートに体育会系の体格、それに不精髭を生やした顔、本当この人は刑事ってイメージだ。
ミ「証人、名前と職業を」
イ「………あの、御剣検事、自分は糸鋸であって、イトノコでは断じて」
ミ「次に職業ッ!」
イ「ハ、ハイィッスっ!!!」
外面だけは。署の方でもこうやってどやされてるんだろう、それでも、御剣の事を信頼してるらしいけど。
しかし、あんなビラビラの付いた服着た検事を信頼するって、一体どうやって出来るんだ?
マ「そんな事だったらナルホドくんの髪型の方がよっぽど変だよ」
霊媒師の衣装を身に着けている君に言われたくないぞ。
ミ「では証言をお願いする」
マ「ここからいろいろ聞き出さなきゃいけないんだよね」
イ「何しろ何もないんだから、あると言ったらこのバッジだけだしね」
エリにつけた弁護士バッヂ、僕がとても大切にしてる物だ。だが何かの役にたったことは、余り無い。
イ「事件は刹那氏の自宅、雪に包まれた山奥の自宅で起きたっす」
どうやって自殺したか、それが何時なのか、誰か来てたのか、
一言一句も聞き漏らせないな。
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