―――証言開始!!!
刹那義理雄の自殺
イ「小説家の義理雄氏は、それはもう綿密に自殺の計画を練っていたっす、まず風呂場に熱い湯を入れて、その上に氷の板で蓋をしたっす」
ナ「氷の板?」
イ「ええ、風呂を見ると藻みたいなのが混ざってたっす、それで池を調査してみると、池の際にぽっかり四角形の穴が開いていたっす。氷を切り出したのこぎりも、風呂まで引きずってきた後も家の調べでわかったす」
ナ「しかし何故そんな事を?」
イ「い、何時も思うっすが、あんたはせっかちすぎっす!もうちょっと人の話を」
ミ「証人、君もさっさと続きを」
イ「りょ、了解っす」
やりこめられているイトノコ刑事、お馴染みの光景とはいえ矢張り可愛そうだ。
イ「ともかく、氷の板を蓋にして、被告人はその上にねっころがったす」
ナ「寝た………氷の板にそこまで強度があったとは思いませんが?」
ミ「調書に書いてある通り、死亡者の家は極寒の地方だ、この真冬の季節、氷は厚く貼る」
イ「ワカサギ釣りは氷の上に座って釣るっすよ?いやー、自分もそろそろ行きたいっすね」
どうせ安い釣り道具のくせに。
マ「ワカサギのテンプラって美味しいよね」
ナ「茶々をいれないでくれよ。それで、その後は」
イ「………ここからが本番っす、さっき氷の上に寝たと言ったっすが、その前に義理雄氏は、首に縄をかけてたっす」
ミ「縄?」
イ「首吊り自殺のためっす、その風呂は室内温風器があって、天井に洗濯物を干す棒があったんすが、それにひっかけて」
ナ「首吊り………、氷が解けると風呂場に落ちて首が絞まる。それが自殺の原因ですか。しかしそれは自殺の方法としては」
サ「弁護人、何を言ってるのですか?」
ナ「え?」
イ「そうっすよ、まさか何も知らないんすか?」
ナ「そ、それが、ド忘れしちゃって………」
サ「………弁護人、あなたはよく記憶を無くしますねぇ」
ナ「は、はぁ」
い、言えない、本当に何も調べてないとは。
ミ「フッ」
ミ、ミツルギの野郎………。
イ「続きがあるっす、語るのもおぞましい続きっす、被告人は自分の体に重石をつけた服、ポケットの中やえりの裏、ズボンの裏にトンカチ、石、ま、ともかく手当たり次第重い物を付けた服を着てたたっす」
ナ「重石?」
イ「そう、入水自殺の為っす………、氷が割れると同時に、風呂場へドボンっす」
ナ「な、なるほど、首吊りと入水、二つの自殺方法を同時に、………それは徹底してますね」
イ「だから何を言ってるすか?」
マ「エッ!?ま、まさか!」
マヨイちゃんが驚いて、当然僕も、
ナ「まさか、まだぁっ!?」
イ「寝る前に被告人は、脱衣所からドライヤーを足元に置いたっす!それが水に入ると!」
ナ「で、電流自殺ぅぅぅっ!?」
イ「更に更にぃぃぃ!」
マ「まだあるのーーーー!?」
イ「被害者は手首にナイフをあてたっす!氷が溶けて身体が落ちると同時に手首を!」
手首を掻き切ったっす!
ナ「………」
マ「………」
サ「………弁護人、言葉を失う気持ちはわかります、私も始めて聞いた時はそりゃあ驚きました」
しかし、
サ「これが自殺じゃないと貴方は立証するのでしょう?何時ものやり方で」
じょ、冗談じゃない、
こんなの自殺に決まってるじゃないかーーーッ!!!
=法廷記録ファイル=
弁護士バッジ
これが無いと始まらない
刹那義理雄の解剖記録
被害者は雪深い自宅の風呂場で、首吊り、入水、電流、手首と四つの自殺を同時に行った模様
死亡推定時刻は2月12日夜
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